Q: 整理解雇の有効性を判断する際の「解雇回避努力」とは,どういうものですか。
A:
②「解雇回避努力」というのは,使用者は,整理解雇に際し,希望退職者の募集,転籍や出向,労働時間の短縮等の手段により解雇を回避する努力をしなければならないというものです。この判断は,具体的な事情の下で,個別的に判断されることになります。例えば,希望退職の募集を行わなかったとしても,それを行うことにより再建に不可欠な人材が辞めてしまったり,退職金に付加金を付ければかえって費用負担が増大してしまったりする場合があり得ますし,転籍や出向についても,受入れが可能でない場合もあり得ます。そのため,必ず全ての手段を講じなければならないというわけではありませんが,全く検討せずにいきなり整理解雇をしたときには,解雇権の濫用として無効とされることもあります。